・身分や温泉などテーマごとに古代ローマの生活を紹介する。
この本ではローマ時代とはどの世代とするか、とした定義から始まり、丁寧な記述で読みやすいながらも豊かな内容。ありそうでなかった痒い所に手が届く本
『スリーピング・ピル 幻想小品集 』 嶽本 野ばら
・タイトルの通りの睡眠導入剤をテーマにした話や、悪魔崇拝、ゴシック、血……
ミシンを読んだときははまったなあと思いながら、すごく久しぶりのこの著者の本を手に取る。あまりにぶれなさに最初はちょっと引き気味だったけれど、結局読了したのでやっぱり引き込ませる力があると思う。でも私が年取ったんだろうな。読了後の余韻がそこまで重く残らなかった
『雪と珊瑚と 』 梨木 香歩
・シングルマザーの珊瑚が不思議な魅力を持つくららという女性と知り合い人生が動き出す
ぱらぱらっと目を通したら上記のような内容だったので、よくある話かと読み始めたのですが、思っていたのと少し違いました。まず、くららと出会ったことで人生に変化が起きたけれど、基本的には主人公が自分の力で乗り越えていく感じ。思っていたよりくららが導かない。あと、主人公の立ち位置を一方的に賛美しない。こういう見方だってあるんだという事実も突きつけてくる。でも結局はきれいな世界で成り立ってたかな。あと、主人公が境遇のわりにシュッとしすぎてる気がする。この辺もきれいに済ませた感じ。
『カラダ探し | 少年ジャン 』 ウェルザード
・「私のカラダを探して」。早くすべてのカラダを見つけなければ、永遠に同じ日が繰り返され、何度も“赤い人”に殺されるサバイバルホラー。
ホラーは完全にダメなのですが、気まぐれで読んだ漫画書評で興味を持ち、絵が加わると怖いので原作を選びました。まさか最後に泣かされるとは……。もちろん十分ホラーではあるけれど、少なくとも原作は、ホラー以外の群青劇的な部分も面白いと思います。
『LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん 』 飯島 奈美
・ほぼ日で連載していたレシピの書籍化+書き下ろし
かもめ食堂で有名、フードスタイリスト飯島奈美さん。やっぱり美味しそう。レシピ集ではあるけれど、エッセイもついていて読み物カウントしました。
『悲しみのイレーヌ 』 ピエール・ルメートル
・ 「その女アレックス』で登場したカミーユ・ヴェルーヴェン警部が活躍する警察小説。目を覆うような残虐な連続殺人事件は見立て殺人事件と判明する。
その女~はまだじっくり読めたけれど、今回は残虐描写がこれでもかと出てきて完全に食傷気味。そこまで執拗に描く必要がわからなかった。構成は虚構を(小説上での)現実が追いかける、虚構と現実が入り混じるといった感じで面白かったけど。