お寿司とトマト

お寿司とトマトが好きです

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冬虫夏草』梨木 香歩

・『家守綺譚』の続編

『家守綺譚』がとても良かったので。前半は切れ切れの章分けに上手くなじむことができず「あれ~」という感じだったけど、後半になるにつれて本の中の世界がしみじみと染みわたってきた。最後は少し涙ぐんでしまった。

 

テレジンの小さな画家たち―ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした』野村 路子

ナチス政権のもと収容所に収容された子供たちが残した絵や詩

いまの私たちのようにありふれた生活を送っていた人たちが、本当にある日突然世界が変わってしまった。収容所に入れられた人たちのうち小さな子供たちは、悲惨な生活を送る中で幸せだった時代を思い出せなくなる、幸せだった頃に住んでいた家を描こうとしたのに、気が付くとその家の中に収容所のベッドを描いてしまっていた。こんな悲劇があるだろうか。

 

『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍した。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった。

男性であれば時に評価されることもある従軍経験をひた隠しにしなくてはいけない理不尽さ。フィクション上の戦争について語ることさえ失礼に感じてしまうぐらいの重い内容ばかりでした。戦争を語るにはきれいごとを並べてはならない。あと、ソ連の歴史に興味を持った。

 

『とるにたらないものもの』江國 香織

・日常のなかの、ささやかだけど愛すべきものたちにまつわる思いを綴るエッセイ

日常気にも留めないような物にスポットを当てる、私的にはこれぞエッセイという感じの本。このような物にもそこまで思いを馳せることができるのかと驚く半面、正直この内容は苦しくない?とか思ってしまったりして。

 

『脳が壊れた』鈴木 大介

・突然の脳梗塞に襲われた41歳のルポライター

社会的弱者についての著書が主な作者が脳梗塞の後遺症から、今まで取材してきた人たちが持っていた見えない障害について気づくという箇所でなるほどな~と思った。難しい内容ではないので、表現は悪いけどこんな深刻な話題なのに軽い気持ちで読める。気が付いてなかったけれど、私はこの著者の本を何冊か読んでいたみたい。