『集合住宅物語』植田実
・首都圏の主だった集合住宅を訪ね歩く
写真も素晴らしかったし文章も、建物自体のこと、またそこに住んでいる人たちの生活のこととバランスよく書かれていてとても良い本でした。一番驚いたのはコープオリンピアで、中があんな造りとは。
『デジタル新時代を勝ち抜く明朗経営 明豊ファシリティワークスの挑戦』茂木 俊輔
・「フィービジネス」でCMビジネスの市場で切り開いてきた明豊ファシリティワークスのの強さの秘密に迫る
ちょっとした理由があって読んだ本。提灯記事ではあるだろうけれどなかなか面白かった。2002年のころからモバイルシステムをいかに効率的に使うかを考えていたことや、データの蓄積など先を見ていたのだなあと思う。
『ぷかぷか浮かびとこれから つれづれノート32』 銀色 夏生
・言わずと知れたつれづれノート
雰囲気が良かった。同じようなことを繰り返し書いているなんて意見も聞くけれど、それは著者の思考の過程で必要なものなのだろうし、これはそういう本だから
『ドミトリーともきんす 』 高野 文子
・「科学者たちの言葉」をテーマにして自然科学本を紹介してくれる
架空の学生寮を舞台に漫画と文章で、朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹といった科学者たちの言葉や書籍を紹介。彼らはこういう発言をし、このような本を出していたんだなと知ることができた。
『世界クッキー』
『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』川上 未映子
・関西弁(大阪弁?)で綴られる随筆集
好きな人は本当にたまらないだろうと思う文章。私も10代だったらこの強烈な文章に影響されたかもしれない。けれど、今の私には無理でした。町田康を勧められて読んだけど断念した時の気持ちを思い出した。ただ、それでもなんとか読み進めてると、たまにハッと目が覚めるような文章も。
『乳と卵 』 川上 未映子
・豊胸手術を受けようと上京してきた姉、その姪。そしてその妹である「わたし」が過ごした三日間の物語
随筆集と違ってぐいぐい読み進むことができた。髪の毛やロボコンなど随筆で書かれていた著者の思い出と重なり合ってふふふとなった。
『名もなき花の―紅雲町珈琲屋こよみ 』 吉永 南央
・喫茶店を営む老女、杉浦草が身の回りで起きる絡まった出来事をほどいていく
よくある、酸いも甘いもかぎ分け人生経験豊富で仏のようなお婆さんという主人公ではないところが良かったけれど、お話として面白いかと問われたら個人的にはちょっと……という感じ。なんとなく主人公の独りよがりな部分も出てたしな。あと、これがシリーズ3作目とは気づかなかった。道理で設定紹介が足りないと思ったわけだ。
『光の帝国』恩田陸
・穏やかで知的、権力を持つことを好まずに生きる不思議な能力を持つ常野一族を描くファンタジー
『青い炎』で軽いトラウマ(悲しすぎて)を持って以来この作者の本は避けていたけど、軽く目を通した最初のお話が楽しそうだったので手に取りました。不思議な能力を持つ常野という一族について時代や場所を超え書かれているのですが、最後の最後、これが集大成の話だという最終話の意味が掴み切れなくて不完全燃焼。でも不思議とまた読み返したくなる魅力があります。