『お縫い子テルミー』栗田 有起
・流しのお縫い子・テルミーが島から上京し、歌舞伎町で恋に落ちる
素敵な話だった。邦画の雰囲気に合いそうなので映像化されてもいけるのではと思った。短編ではなくて1冊分として読みたかったな。この著者の他の作品も読んでみようと思う。
・十字の角にあるために常につむじ風が吹くところから「つむじ風食堂」と呼ばれている食堂に集う人々が織りなす、静かな夜のような物語。
先日読んだ本の前作に当たる本だと調べて読んでみたけど、舞台である土地は同じだけど姉は?方向音痴の姉が出てるんじゃなかったっけ?
『R.P.G.』宮部みゆき
・住宅街で殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた
読んでないだろうと手に取ったら既読本でした。だけれども面白いので再読。
『孤宿の人』上下 宮部みゆき
・阿呆の「ほう」と名づけられた少女が江戸から金比羅代参に連れ出され、岐国・丸海藩に捨て子同然置き去りにされる
最後は涙がとまらず頭がガンガンと痛む。泣く作品は本でも映画でも避けてるのでこういう予想外の出会いは辛い…とカバーに隠されていた裏表紙のあらすじを読んでみたら『感涙の傑作』と書いてあって……私は……。それにしても架空の藩を作り出したりと、何もないところからここまでの物語を作り出すって小説家というのは本当にすごい。
『ハミザベス』栗田 有起
・顔も知らない父親から遺産としてのマンションを、遺産管理人からハムスターを引き継ぐことになった
この著者の書く主人公は自らの歪みを歪みとして正すことなく受け入れ自分の人生を生きていっている感じがする。強いというよりも、しなやか。
『鬼の棲む家』吉村 達也
・新婚の上村華子は夫の亮介を殺害した。背景にDVがあったこと知った華子の父親は娘の無罪を勝ち取るために動き出す
勝手にホラー小説だと思い避けてたけど、内容紹介からミステリーであることを知り読んでみた。読み終わった後に「あ、あの部分はどういう風に書かれていたっけ?」等と読み直してしまう本。
『酸っぱいブドウ/はりねずみ』ザカリーヤー・ターミル
・寓話性と風刺性に満ちたシリア文学、短編集
文化が違いすぎて、なかなかストンと体に入っていかない。やはりイスラムやシリアの文化をある程度は知っている方がよく、本を読むにも知識が必要なことを改めて感じた。