『男の勘ちがい』 斎藤 学
・男らしさは病気。「男らしさ」の病に迫る
これが15年程前に書かれていることに驚く。「男らしさ」の病の一因はやはり女性にもあるよね。
『悪夢障害』 西多 昌規
・「悪夢障害」とは「極度に不快な夢を繰り返し見ることで睡眠が妨げられ、日常生活に支障が出る」病である
本当に毎日悪夢(命を狙われる)を見る時があるので読んでみたけれど、PTSDや抑うつ状態の時に見る悪夢への言及ばかりで、私のように思い当たる理由もないのに悪夢ばかり見るということに関してはわからずじまい。
『発達障害に気づかない大人たち』 星野 仁彦
・見逃されがちな「発達障害の大人」の問題点や必要な環境について書かれている
見過ごされてきた大人の発達障害は他の疾病(依存症等)を併発するという点が興味深かった。周囲の理解の必要性は強く感じるけど、実際のところ仕事等でその立場にいると、友人でもない同僚程度の相手に気遣うべきこととしては正直負荷がありすぎるんだよなと昔を思い出したり。
『断片的なものの社会学』 岸 政彦
・社会学者である著者がフィールドワーク上で出会った「社会学として解釈できない出来事」を書く
エッセイだと思う。社会学として解釈や分類できないが印象的な出来事や会話について丁寧に文字にしている。私の中にあった「上手く言葉にできないけれど常に頭の中に引っかかていた思い」のいくつかが著者によって上手く言語化されていて嬉しかった。
『読んでいない本について堂々と語る方法』 ピエール・バイヤール
・「本は読んでいなくても語ることができるし、むしろ本を開かなくていい」と大学教授という立場で多くの書評を求められる著者が説く
引用が多いので途中から流し読みになってしまったけれど、全ての本に対して公平でいるためには本を開かないという話には笑いながらもなるほど~と思ってしまった。
『たったひとつの冴えたやりかた』 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
・表題作『たったひとつの冴えたやりかた』を含む短編集。宇宙の溝「リフト」を舞台に3つのストーリーが図書館司書によって与えられる
タイトルだけどこかで聞いたことがあるなとふと思い立ち手に取ってみたけれど、すべての作品とも先が気になり、早く読み進めたいという久しぶりの感覚に陥った。それでもやはり表題作は断トツに面白い。