お寿司とトマト

お寿司とトマトが好きです

18~26

『My Room 天井から覗く世界のリアル 55ヵ国1200人のベッドルーム』John Thackwray

世界55ヵ国、今を生きる若者のベッドルームを天井から写した写真集

読む前に想像していた物とは少し違ったけれど、最後まで興味深く見ることができた。最後の写真に写っているフランスの女性が言った「もちろん歴史・文化の違いもあるし、自分が恵まれているから言える事だとは分かっているけれど自分だけの部屋は誰にでも絶対必要なもの」(うろ覚え)という言葉に「ほんと、余裕のある白人って感じの言葉だな」と正直思ってしまった。

 

『ネオナチの少女』ハイディ・ベネケンシュタイン

ネオナチの家庭に生まれ育ったひとりの女性が、その思想と葛藤し、極右の世界と決別するまでを描いた手記。

著者も記しているけど「ネオナチ」ではなく、第二次世界大戦から連綿と受け継がれてきた「ナチ」なのだろうと思う。私より年下の女性がこういう生き方をしていたことにも、上流階級の人たちがそういう集団や教育を維持し続けていることにも驚いた。民族や人種に究極的な価値を置く政治姿勢には(自分がそこに当てはまる存在であればなおさら)やはり惹きつけるものがあるのだろうか。社会に不満を持つ若者と相性がいいというのはとてもわかる気がするけれど。

 

『コミュニケーションの強化書』くまごろう&アソシエイツ, 監修:篠崎 晃一

さまざまな初対面を乗り越える強化書

目新しいことが書いてあるわけではないけれど、最初の方に書いてあった「相手を観察する」「いつも意見を合わせる必要はない」「深呼吸&リラックス」は本当にそうなんだよ、私よ。

 

『銀座界隈ドキドキの日』 和田 誠

最先端の銀座で若者たちが才能をぶつけ合った勢いのある時代。その真っただ中にいた著者が懐かしく輝いていた日々を書く。

戦後の勢いある時代を振り返るエッセイは「あの勢いのある素晴らしき時代を生きたオレたち」と大体どこかに鼻にかける感じがしてあまり好きではないのだけど、このエッセイはそれらと何が違うのか分からないけど何かが違った。今と比べるような記述がないからかな?

 

『女官』山川 三千子

昭憲皇太后に女官として奉仕した著者からみた女官の生活や両陛下との思い出を綴る。

大正天皇、皇后両陛下以外の人の描写はだいぶ辛辣で笑った。

 

『本当はちがうんだ日記』穂村 弘

歌人 穂村弘のエッセイ。

自意識が強すぎて身のこなしがぎくしゃくしている等、身に覚えがありすぎて素直に笑えないこと多数。自虐的ではあるけど(本気でクズの要素がありそうな部分もある)、実際のところ、いわゆる文系男子のカテゴリーでモテるだろうなあ。

 

『こういう旅はもう二度としないだろう』銀色 夏生

著者の海外旅行体験記。

つれづれを読んでいるので、「あー海外旅行熱が高かったあの頃のことか」と思いながら読む。この著者のつれづれ以外のエッセイを読むのは初めてだけど、あまり変わらないのでこれからは他のも読んでみようかな。

 

富士日記(上)』武田 百合子

富士山麓にある別荘で過ごした記録。

日記文学と言えば『富士日記』、とのことなので読んでみた。初めの頃はそこまででも……と思ったけれどどんどん面白くなってくる。それにしても事故の多さや人が亡くなった時の周囲の反応など、これが同じ日本なのか……という気分に。あと著者のキャラが強烈。

 

『空ばかり見ていた』吉田 篤弘

鋏があれば髪はどこでも切れるということに気がついた理容師が旅に出る。

北斗さんがもっと狂言回しというか常に物語の真ん中にいるのかと思ったら少し違った。「日常の中に潜んでいるファンタジー」系の本はあまり読まないのに、この著者だけはつい手に取ってしまう。文章が静かなところが気に入っている。