お寿司とトマト

お寿司とトマトが好きです

11〜18

シャーロック・ホームズと見るヴィクトリア朝英国の食卓と生活』関矢 悦子

目玉焼きじゃないハムエッグから「いのちの水」ブランデー、面倒な結婚手続きや教育に遺産相続まで。ヴィクトリア時代の市民生活をシャーロック・ホームズとともにとことん調べられた本。

基本的にシャーロックホームズに沿って書かれているのだけれど想像よりがっつり資料が参照されていて、ホームズはあくまで入り口でヴィクトリア朝時代の生活についての記述がメイン。

 

『富岡日記』和田 英

富岡製糸場で伝習工女となり、その後長野で日本初の民営器械化製糸場(六工社)の指導員となった女性が書いた日記。

日記というか回顧録。私たちの感覚からいうと10代後半であんなにしっかりと勤め上げられるのかと驚くけど、すべては時代と家庭での教育なのかしら等と。地元での製糸場立ち上げ最初の年、色々もめたけれど著者が自分を曲げずに戦ったおかげで結果が出た時は私も喜んでしまったけれど、その数ページ後のストライキには笑ってしまった。お母さんもよかった。ただ唯々諾々と従うだけではない自分をしっかり持った強い人。

 

『BUTTER』柚木  麻子

男たちから次々に金を奪った末、三件の殺害容疑で逮捕された梶井への取材を試みた主人公は面会を重ねるうち、梶井の言動に振り回されるようになっていく。

某事件をモチーフにしたであろうこのお話。タイトルの通り濃厚で読んでいる途中は胸やけがしそうだった。

 

『復讐の女神』アガサ・クリスティー

ミス・マープルシリーズ最後の作品。

ドラマ版では落石が室内での事件に変わっていて、その変えた理由がよく分からなかった。最後のあのお金でミス・マープルは何をしようとしたのか、それが知りたかったな。

 

『火曜クラブ』アガサ・クリスティー

ミス・マープル初登場の作品を含む短編集。

先に触れたこともあってか昔は断然ポワロ派だったのにプライムビデオでジョーン・ヒクソン版を見てからミス・マープル派になってしまった。女優が語り手になる回の皆の辛辣な感想に笑った。

 

『猫を棄てる』村上春樹

著者の父親(自分のルーツ)について語った本。

エッセイというか、物語(フィクション)ではない村上さんの本は初めて読んだ気がする。雑念(?)無く読むとこの人の文章はこんなにも読みやすいのかと驚いた。この本だけでなく他の物語もなんだけど、過去を語っているかのような感じを受けるなとふと思った。(その物語自体が過去の話という設定でもなく、もちろん実際にあった過去という意味でもなくて、あくまで雰囲気の話)

 

『誘蛾灯』青木理

鳥取連続不審死事件。鳥取の寂れたスナックに勤務していた女性が4人が元警察官や記者などの男性を次々に絡めとる。 

著者によると木嶋被告の事件と裏表をなすような事件でエンタメ性に満ちた木嶋被告とは違い上田被告はとにかく不可解とのことだけど、私は上田被告の方が個人的に理解の範囲内というか、ああこういう女性はいるよねと思う。あと、内容に関係ないけどこの著者はよくテレビに出ていた人なので、モノローグ部分は「あの人がねえ…へえ…ちょっと芝居がかってない?」みたいな感じで読んでしまうよね。

 

QED 源氏の心霊』高田 崇史

QEDシリーズ最新作。

源平時代なのでちょっと新鮮。平家物語を読んでみたくなった。ところで『奥さん』ってこれやっぱり既婚じゃないですか。